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ハラール市場進出で知っておくべきハラールを構成する2つの重要概念

Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。

2021年4月に開催されたプレミアムフードショーで、日本人バイヤーの方と話をしました。そのなかで、皆さんがハラールについての理解が十分でないと感じるところがあったので、今回のコラムではハラールの基礎的コンセプトについて検討します。

日本でのハラール対応というと「ムスリム向けの特殊な食品やサービス」「豚とアルコールを使用していない食品」と思われているのではないでしょうか。しかし、ハラール対応とは、ムスリム向けの原材料の話だけではありません。

ハラールを構成する2つの重要概念

以前マレーシアのハラール産業に従事している友人に、日本のハラール認証レストランの写真を見せたことがあります。「このお店は認証を取得しているけれど、ハラールとは言えないね。」と言っていました。それはこのレストランが、ハラールのもう1つの重要概念を満たしていなかったからです。

ハラール(Halal)

「神によって許されたもの」を意味しています。イスラム教の教義は、人生全般にわたっています。食物の話だけではありません。私達がよく知るハラール対応である豚とアルコールの忌避は、このうちの一つです。

トイバン(Toyyiban)

「人間や社会にとって良いこと」という概念です。食品を例にとれば、栄養価が高い、美味しい、清浄である、社会的公正な手段で入手されている等を満たしていることを意味しています。

この2つ(ハラール・トイバン)が満たされて、ハラールな状態にあると言えるのです。上でご紹介したあるハラール認証レストランは、認証を取得しているので食材はハラールであるが、店内が衛生的に見えなかったので(トイバンではない)、ハラールではないと判断されたのです。

既にハラールの半分を満たしている日本製品

マレーシアのハラール産業関連の知り合い等からは、「日本製品はトイバンの要件を十分に満たしているので、ハラール対応は難しくないでしょう。」と良く言われます。マレーシアハラール認証を取得するには、原材料(ハラール)よりも、衛生面(トイバン)の要件を満たすことのほうが難しいのです。

日本では、ハラールな原材料等の入手の難しさや豚やアルコールの忌避という馴染みのない食習慣から、ハラール対応は難しいと考えられています。しかし、ハラール市場先進国であるマレーシアからみた日本製品の多くは、既にハラールの多くの部分を満たしているのです。

橋本 哲史
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。
訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。

 
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