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【ニューノーマル時代】どうなるマレーシア・インドネシアのショッピングモール?

Salam Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。

コロナ禍の消費行動に関して、米国から気になるニュースが配信されていました。パンデミックが収束しても、米国消費者はもうショッピングモールには戻らないかもしれないという予測です。マレーシアやインドネシアのショッピングモールは、消費者の日常生活において非常に重要な役割を果たしています。ニューノーマル時代にショッピングモールがどう変化するのかについて、考えてみたいと思います。

クアラルンプール中心部のショッピングモール

日常生活に欠かせないショッピングモール

マレーシアやインドネシアで生活していると、ショッピングモールが日常生活やビジネスにとって、重要な役割を担っていることを実感します。クアラルンプールで社外の方と商談やミーティングをする場合、参加者それぞれにとって都合の良い場所にあるショッピングモールで、落ち合う事も少なくありません。車社会で交通渋滞が問題となっているクアラルンプールでは、できるだけ渋滞を避けたいという意向が働きます。日曜日には家族や友人と連れ立って、一日中ショッピングモールで過ごしている人々の姿を多く見かけます。ショッピングモールは、買い物だけではなく社交の場としても、重要な役割を果たしているのです。

ショッピングモール再開への動き

インドネシア政府は、市民が公共施設に入る時にはワクチン接種証明(スマホアプリ)を活用した人流制限の緩和を計画しています。その方法は、禁煙と喫煙エリアを分けるのと同じようにスクリーニングを行うとしています。例えば、証明書を提示すれば屋内でマスクを外して4人でテーブルを囲むことができます。提示がなければ、屋外のテーブルでマスクをしたまま2人でテーブルを囲むことになります。ショッピングモール、食品店、市場、オフィス、工業地帯、公共交通機関、ホテル、レストラン、リゾート、宗教施設、教育機関での実施を検討しているとのことです。

オンライン小売サービスへの依存

インドネシアだけでなくマレーシアでも、ショッピングモール再開への動きは検討されています。その一方で、消費者の消費行動に変化が表れてきているようです。コロンビア大学経営大学院のマーク・コーエン教授によれば、米国消費者は、パンデミックで利用した食料配達や映画のストリーミングサービス等の利用に、完全に依存するものになっていると述べています。スーパーマーケットには人々が戻る可能性は高いが、オンライン小売サービスから離れることはないだろう。「人々は数クリックで商品を購入できて、数時間後にはそれが玄関に届くことを知ってしまった」と述べています。

もうショッピングモールでは買わない

ジャカルタ在住のインドネシア人の友人は、パンデミック以前は、週2-3回ほど親子でショッピングモールに出かけていたそうです。現在では外出制限の為、週1-2回の食料の買い出し以外での外出は、ほぼ無くなったと言っていました。大学生の娘さんは、ほぼ全ての物をネット通販で購入していると言います。彼女にとっては、送料とて小さな金額ではありません。それでも、「ショッピングモールではもう買わない」と言っているそうです。彼女も、多少のお金を払っても自宅に届けてもらったほうが快適であることを、知ってしまったようです。

ショッピングモールのサバイバル戦術

マレーシアで七つのショッピングモールを展開しているサンウェイモールでは、政府の行動規制に従って、厳格な衛生や安全対策を実施しています。その結果、2020年と比較して2021年には、2-3倍の人流を確保しています。一方、家具販売のイケアマレーシアでは、オンライン販売に集中し、顧客のニーズにあわせてフードデリバリーや翌日配達等のサービスを提供してきました。その結果、サイトアクセス数は、前年比33%増となりました。

クアラルンプールには、そこかしこにショッピングモールが存在しています。地元企業によれば、実際に十分に集客できているモールは5-6カ所しかないとのことです。経済成長が続いているインドネシアでも、多くのショッピングモールが建設されています。それに加えて、ニューノーマル時代に向けて、オンラインショップとのし烈な顧客獲得競争が始まっています。マレーシアやインドネシアでの小売りやモール出店を検討されている方は、コロナ後の消費者行動の変化に十分な配慮する必要がありそうです。

参考

コロナ収束後も買い物やストリーミングの習慣は元に戻らない理由
Mall, Restaurant Visitors Will Be Asked to Show Vaccination Status
Malls survive on smart decisions

JL Connect Malaysia SDN BHD / ディレクター 橋本 哲史
Groovy Japan運営会社のマレーシア法人JL Connect (M) SDN BHDのディレクターと、JAKIM戦略パートナー企業のコンサルタントを兼務。
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。

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