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東南アジアハラール市場進出 3つの共通課題:知見 ハラール 消費者嗜好

Salam Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。

先日、ある企業様とマレーシアでの販路開拓についてブレーンストーミングを行なっていました。その際に、中小企業の皆さんがハラール市場でのマーケティングで課題として悩んでいる点が、共通しているなと感じました。

ある日のジャカルタ市中心部の朝

ハラール市場進出の3つの共通課題

現在、複数社のマレーシア、インドネシアおよびハラール市場進出のご支援をしています。どの企業とも、市場調査、潜在顧客探索、商談用資料作成などを進めてきましたが、業種は異なれど共通の悩みがあることを、再認識しています。

ハラール市場情報を知る

第1の共通課題は、マレーシアやインドネシアでのハラール市場の市場情報の収集が、なかなか難しいことです。その要因の1つは、日本企業の東南アジア進出が、中華系企業との連携を中心に進展してきた過去があるからのように感じます。また、現地市場でのターゲットが、日系企業や駐在日本人、外国企業や駐在外国人、嗜好が似ていると考えられている中華系富裕層等を、中心的顧客としてきたことにも、要因があるようです。

ハラール性担保の方法を知る

第2の課題としては、製品やサービスにもよりますが、ハラール性担保の方法についての正確な情報を得ることが難しいことです。それは、一般的に豚やアルコール成分についてだけでなく、生産設備、パッケージ表示、マーケティングやプロモーション、ハラール認証取得の必要性等、ビジネス領域全般に及んでいます。

ムスリム消費者嗜好を知る

第3の課題としては、ムスリム企業や消費者のニーズが、よくわからないことです。マレーシアやインドネシアのムスリム消費者と私たち日本人では、食文化、習慣、体質等が異なっています。現地で日本文化や日本食が受け入れられているとのメディア報道は盛んに行われてはいますが、限定的な場面にとどまっている製品やサービスも少なくありません。

日本でできる課題解決法

このような課題には、現地調査を行うことが最善の解決策の1つです。しかしながらコロナ禍の現在は、簡単に行うことはできません。日本に居ながらにして実行できる現地調査には、次のような方法があります。

公的機関を活用する

日本貿易振興機構(JETRO)は、クアラルンプールやジャカルタをはじめとして、ハラール市場に現地事務所を持っています。日本企業に対して、情報提供を行なっています。また、マレーシアやインドネシア等の大使館に、情報提供をお願いすることもできます。現地経済の活性化に繋がる案件であれば、喜んで協力してくださるでしょう。

オンライン展示会に参加する

コロナ禍で様々な展示会が中止や延期されていますが、一部の展示会はオンラインで開催されています。このようなオンライン展示会の一部は、従来の展示会と比較して安価に出展できる場合も少なくありません。引き合いを通じて、直接現地企業との繋がったり、かれらから市場情報を収集することが可能です。

コンサルティング会社に依頼する

民間コンサルティング会社にお願いして、市場調査を行うことができます。費用は掛かりますが、高い質の情報が得られる可能性が高くなります。マレーシアのような多宗教国では、ムスリムとそれ以外の消費者の嗜好や消費行動が異なることも少なくありません。そのため、コンサルティング会社が、ハラール市場の知見やアクセスを有しているかどうか、事前確認が重要です。

在日ムスリム留学生に協力を依頼する

在日ムスリム留学生に依頼して、試食や消費者嗜好調査等を行うことが可能です。言葉の問題も解決できるので、中小企業には有用な方法ではないでしょうか。しかしながら数か月の日本滞在でも、かれらの食志向は、日本食の影響を受けます。また、商品のハラール性の担保については、正しいハラール産業知識を持った専門家への依頼が必須です。

JL Connect Malaysia SDN BHD / ディレクター 橋本 哲史
Salam Groovy Japan運営会社のマレーシア法人JL Connect (M) SDN BHDのディレクターと、JAKIM戦略パートナー企業のコンサルタントを兼務。
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。

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