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マレーシアの独立記念日とマレーシア・デイをビジネス面でも意識すべきか?

こんにちは、Salam Groovy Japan編集部・マレーシア出身のイマンです。
マレーシアは「独立」に関わる2つの重要な記念日があり、毎年お祝いしていますが、その違いは何なのか?また、ビジネス面ではどのように意識しておくべきお祝いなのか?今回のブログで見ていきましょう。

「独立記念日」と「マレーシア・デイ」は違うのか?

「 独立記念日 」(=ナショナル・デイ)と「マレーシア・デイ 」は異なる記念日で、日本の建国記念日と同じように祝日となっています。

マレー語・インドネシア語で「ムルデカ」は「独立」という意味です。「独立記念日」すなわち「Hari Merdeka(マレー語:ハリ・ムルデカ)」は、その名の通り、1957年8月31日にマラヤ連邦が長きにわたる英国の支配から独立した日です。

一方、「マレーシア・デイ」は1963年9月16日にシンガポール、北ボルネオ(現サバ州)、サラワク州がマラヤ連邦に連合し、「マレーシア」という国ができた日です。
しかし、「独立記念日」と異なり、「マレーシア・デイ」は東マレーシアのみの祝日でしたが、2010年度から全国的な祝日になったのです。

それぞれの記念日に現地でどのように過ごしているのかをご説明します。

情熱につつまれた現地状況

マレーシアでは、道、家、建物、車などがマレーシアの国旗とその色に彩られ、ラジオから愛国的な曲も流れていきます。もちろん、テレビなどで広告も流されるのです。
多くの学校では、当日の祝日に先駆けて、演奏などを盛り込んだイベントやコンテストが行われます。私の学生時代にも、高校の「独立記念日」イベントで合唱をしたことがありますし、小学校で「マレーシア・デイ」をテーマにした教室デコレーションコンテストもありました。

また、毎年にムルデカ・スクエアで国王や省庁関係者が出席する「ナショナル・デイ(独立記念日)」パレードが開催され、多くの現地の人々が参加しているのです。私は人混みを避けるように、いつもテレビで見るだけですけどね。
「マレーシア・デイ」の場合、従来はサバ州とサラワク州で交互に開催されてきましたが、2020年から全州交代制で祭典が開催されることになりました。

2020年度に開催された「Keluarga Malaysia Teguh Bersama」(家族として団結しながら困難に立ち向かうとても強いマレーシア)をテーマに、2年ぶりのナショナル・デイ・パレード。約7万人が来場。

この2つの記念日に、友人や家族と遊びに出かけるマレーシア人が実はたくさんいます。特にパレードに行く場合、早朝4時〜6時にはすでに自宅より出発しています。パレードが終わると、自宅にすぐに帰ったり、ショッピングモール等で時間を過ごしたりしますね。

こうして、それぞれの記念日におもいっきり盛り上がりますよ!

ビジネスにとっても注目すべきか

8月のことを、現地では「ムルデカの月」と呼ぶことがあります。マレーシアのニュースメディア「The Star」によると、様々な割引を提供する魅力的なムルデカキャンペーンがあるため、買い物をしたい人はたくさんいるそうです。
どちらの記念日も1日だけの祝日ではあるものの、オンラインとオフラインの多くのお店や飲食店が、両日に向けてセールやキャンペーン、プレゼント企画などを実施しています。「独立記念日」の2〜3週間前からセールを開始するところもあれば、「独立記念日」の週から「マレーシア・デイ」まで行うところもあります。

また、Trinity42の調査(2021年度)によると、マレーシア人は8月の一週目から「独立記念日」のプロモーションやセールを検索し始め、2021年7月から9月までその傾向が見られます。ちなみに、「独立記念日」関連の検索が2022年8月のGoogleマレーシア検索において5位にランクインしています。
Googleマレーシアとオンラインモール11streetの調査(2016年)では、最も人気のある検索キーワードが「ムルデカ・セール」「ムルデカ・プロモーション」でした。

こうした記念日に対して、現地人の関心が非常に高く、活発に動いていると言えるでしょう。

ムルデカプロモーション・セールのGoogle検索数 2014年~2016年 (画像の提供元:Digital News AsiaにてChong Jinn Xiung氏による)

セールやキャンペーンの他、特別版の商品を発売するケースも少なくありません。例えば、有名なヒジャブブランドであるdUCkは、マレーシアの文化や歴史をモチーフにした特別なヒジャブ(ムスリム女性が頭に被る布)コレクションを毎回展開しています。

dUCkの「ムルデカ・ヒジャブ・コレクション2022」(画像の提供元:Marketing Interactive

イオンマレーシアの場合、マレーシア思い出のオリジナル画像をSNSでシェアすると、ギフト券+NFT(非代替性トークン)がもらえるNFTキャンペーンが行われました。一方、サブウェイ・マレーシアの場合、マレーシアの漫画家Ernest Ngとコラボし、「独立記念日」と「マレーシア・デイ」の限定ラッピングを提供しました。

サブウェイ・マレーシアのキャンペーン (画像の元はMarketing Interactiveより)

では、ビジネスには最適なのでしょうか?
ラマダンやイードは、ムスリムにとって非常に重要な期間であり、自然に消費支出が多い傾向にあります。それと比べれば、それぞれの記念日は消費支出が少ないかもしれません。
しかし、こうした国家レベルの記念行事は、宗教や人種に関係なく、マレーシア人にとって重要なものと捉えていますし、この時期に行われるセールやお買い得品を狙う人も多くいるはずです。

もちろん、必ずしも値引きセールなどを行う必要はありませんが、「この時期に様々なビジネスがこうして動いているよ」ということを念頭に置いておきましょう。
但し、ラマダンの時期が年々変わるため、2010年・2011年のように8月に重なる場合もあります。その際は、「ラマダン=ムルデカ」の輪に入るのもいいビジネス・チャンスになるではないでしょうか。

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