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ムスリム専用の掛軸とは? 伝統工芸が伝える日本のおもてなし

掛軸の製造業を営む株式会社 野村美術の常務取締役の野村雄一でございます。(関西ムスリムインバウンド推進協議会・副代表)

弊社は創業50年の企業であり、日本の伝統工芸である掛軸の魅力を、日本のみではなく海外の方にも知っていただきたく2010年頃より様々な活動を続けてまいりました。

そんな中、ムスリムの方にも掛軸の魅力を知っていただきたいと思い取り組んでいる活動についてご紹介させていただきたく思います。

ムスリム専用掛軸「PRAYERM」開発のきっかけ

掛軸とは、書や絵画を裂や紙で表装して主に床の間に飾れるように仕立てた物であり、主人が来客に対して季節や行事などに応じて最も相応しいものを飾り、おもてなしをする為の道具です。

ゲストは、飾られているその掛軸を見て主人のおもてなしの気持ちを察して心を動かす…決して直接的な言葉や趣向ではなく、日本人らしく静かにさりげなく相手に対しておもてなしのメッセージをおくり、心をかよわせるという日本の美意識が詰まった道具です。

弊社はこんな掛軸の魅力を世界中の人々にも知っていただきたいと思い様々な活動を続けてまいりました。

そんな中、イスラム美術と出会い、訪日ムスリムを日本流におもてなしする事に魅力を感じ、ムスリム専用掛軸である「PRAYERM」を開発いたしました。

「PRAYERM」の特徴

イスラム教では偶像崇拝が禁止されてきた歴史から、唯一絶対神・アッラーの言葉が記されたとされる聖書コーランの文字を美しく表現する為に、アラビア書道が芸術として発達し、モスクなどの装飾にも取り入れられてきました。

モスク

アラビア書道はムスリムにとって非常に身近な存在であり、海外の祈祷室にも作品が飾られています。

祈祷室

PRAYERMはそんなアラビア書道の作品を掛軸スタイルで仕立てたもので、ムスリムの方が日本の祈祷スペースでお祈りをする際に、唯一絶対神であるアッラーをより身近に感じる事が出来るように配慮して製作いたしました。

本来、相手や状況にあわせて最もふさわしい物を飾る掛軸の特徴が見事に表現されたまさにムスリム専用の掛軸と言う事が出来ます。

日本を訪れるムスリムに掛軸を通して日本のおもてなしの気持ちを感じていただき、日本を好きになっていただければと考えております。

過去の礼拝スペース設置事例

八芳園(東京)
Nakhlistan (神戸)
関西ツーリストインフォメーションセンター(大阪)
SEKAI CAFE ASAKUSA(東京)
ラーメン帆のる(大阪)
ムスリム専用民泊『Moosa’s Guest Room』

お土産品として

掛軸は巻くと非常にコンパクトに収納でき、持ち運びにも大変優れている特徴を持つ為、お土産やギフト品としても喜ばれております。

お土産として
海外展示会でギフトとして

その他の取り組み

PRAYERM以外にもムスリムに掛軸の魅力を知っていただく活動としてご依頼に応じて様々な掛軸を製作しております。

こちらは神戸でトルコ料理を提供するレストラン「Café Istanbul」のエントランス用の掛軸を製作いたしました。

こちらは大阪にあるムスリムのコミュニティセンター「Japan Dawah Center」からのご依頼でムスリムの方が信仰告白をされる際に唱えられる言葉を日本語表記にした掛軸を製作いたしました。

今後について

2021年4月現在はいまだコロナウィルスが世界的に猛威をふるっている状況が続いておりますが、事態が収束に向かい、再び世界中の方が旅行を楽しめる日が来る事を心より願っております。その際に、ムスリムの方が日本の礼拝スペースで日本のおもてなしを感じていただけるようにこれからも精進してまいりたいと思います。

株式会社 野村美術 常務取締役 野村雄一
1981年生まれ 神戸市在住
関西学院大学経済学部卒業。機械工具商社勤務を経て、家業である掛軸の製造会社に入社。
掛軸の魅力を海外に伝えようと活動する中、イスラム美術と出会いイスラム教徒との交流を深め、一般社団法人 関西ムスリムインバウンド推進協議会の副代表を務める。
株式会社野村美術

 
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