創業138年、富山の老舗だしメーカーがハラール認証を取得/かね七
富山で130年以上の歴史を誇る老舗食品メーカー「かね七株式会社」が、顆粒だしや昆布茶など33品目以上の商品でハラール認証を取得しました。商品の特徴や今後の展望などについてお話を伺いました。
創業は1884年で、鰹節や昆布、煮干しなどのだしをメインに製造・販売しております。弊社には、長年の経験で培った原料の目利き、ブレンディングのノウハウがあります。
ムスリムの方にも安心して召し上がっていただきたいと考え、2022年2月にハラール認証を取得しました。イスラム諸国の料理とコラボする形で新しいメニューを提案するなどし、商品をアピールしていきたいと考えています。
弊社が拠点を構える富山は、製薬業が盛んな地域です。グループ企業の製薬会社で顆粒タイプの風邪薬を作っており、弊社ではその技術を顆粒だしづくりに活用しています。
粉体を熱風で流動させ、でんぷんを含んだ水を噴霧して顆粒化する「流動層式造粒法」は、時間と手間がかかりますが、多孔質の顆粒が生成され、溶けやすく使いやすい顆粒だしの製造が可能です。
スティックタイプの「鰹節、煮干し、昆布、椎茸」だしのほか、食物繊維入りのお茶なども人気があります。
近年の本物志向の強まりに合わせ、添加物を使用しない天然だし商品にも力を入れています。手軽に本格的なだしが楽しめる、天然素材のみを使用した「だしの素パック」は国内外で人気があり、販売数を伸ばしています。
創業以来扱ってきたイワシについては、食べることで健康になる商品として、その効果をアピールしていきたいと考えています。イワシはカルシウム、DHA、EPAが豊富です。まるごと食べる商品もありますし、粉末状の商品は料理に混ぜて使うこともできます。
弊社では、海外展開を積極的に進めており、現在はマレーシア・ミャンマーで販売しています。今後は、大手メーカーが未進出の国などを中心に展開先を広げていく予定で、ナイジェリアやアゼルバイジャンの展示会などにも出展してきました。
世界中の方に和食のおいしさを伝え、だしを毎日の食事に取り入れていただきたいのですが、海外では日本独特の「だし文化」を伝えるところから始めなくてはなりません。
まずは多くの方に、だしを体験していただく機会を設けることが必要だと考え、業務用商品を先行して輸出しています。飲食店で、だしをトッピングに設定し、その国独自の食事メニューにプラスする形で味わっていただくなど、それぞれの国で受け入れやすい形を考えながら展開しています。
「だしが加わった食事がおいしかった」という口コミの輪を広げることで、だし文化を海外に根付かせ、「かね七」ブランドを進歩発展させていきたいと考えています。
<企業概要>
事業者名: かね七株式会社
本社所在地:〒939-3521 富山県富山市水橋畠等297
事業内容: 食料品製造(煮干・かつお節・だしパック・昆布巻・風味調味料・ほたるいか珍味 等)
公式サイト:かね七株式会社
オンラインショップ: かね七オンラインショップ
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