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中国がパキスタンのハラール市場への参入に意欲

中国がパキスタンのハラール市場への参入に意欲をみせていると、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)にフォーカスし、両国の農業・産業の最新情報を扱っているパキスタンメディア「Gwadar Pro」が報じています。

今年8月、四川省成都でおこなわれたパキスタン食品市場参入業者向けのオンラインセミナーの席上、同省ハラール食品委員会のMa Zhijun主任が「近い将来、パキスタンのスーパーマーケットでは、より多くの中国製ハラール食品が見られるようになるだろう」と語りました。

中国のハラール産業界についてMa主任は、下記3つの大きな特徴に分類し説明しています。

  1. 中国のハラール製品の市場は北西部に集中しており、大規模な生産メーカーは広東省、浙江省、江蘇省などの東海岸地域にある。この状況は、中国のハラール産業の2つ目の特徴である輸出志向に起因している。
  1. 経済発展が遅れている西部では、ハラール食品の需要は小さな工場での自給自足がほとんどで、産業を形成することが難しい。これに対し、巨大な海外市場があるため、東部沿岸地域の企業はハラールフードの産業規模の生産に取り組んでいる。
  1. 中国はハラール食品を大規模に生産するための高度な技術と巨大な能力を持っているが、この潜在能力はまだ開発されていない。
    2019年、世界のハラール産業の売上高は3.2兆ドルに達したとされるも、中国の輸出量は1億ドルに過ぎない。その主な理由として、中国が世界のハラール市場について詳しくなかったことが挙げられる。中国の食品産業は、欧米や日本、韓国との貿易協力が主軸となり、一帯一路(BRI)に沿ったイスラム諸国との取引はほとんどなく、長年お互いのことを理解せずに今日に至っている。

これら3つの特徴を踏まえた上でMa主任は、「中国はパキスタンへの投資を開始し、いくつかの食品加工拠点を設立するだろう。パキスタンのハラール産業は、中国の技術、マーケティング手法、パッケージデザイン、先進的な設備に対する大きな需要がある」とし、相互理解の構築とパキスタン側の労働力を活用することで、両国の経済発展に繋げたいという考えを示しています。

Gwadar Proによると、中国の習近平国家主席の提唱する一帯一路の「65ヶ国中31ヶ国がイスラム諸国であり、イスラム教徒(ムスリム)が総人口の半分以上を占めている」とのこと。Ma主任は中国で古くから伝わる言葉、「食は人民にとって最も重要で必要なものだ」を引き合いにし、「中パの深い友好関係は、食文化の深い交流なしに完成しない」と語っています。


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