GojekとGrab 東南アジアハラール市場から登場した2大ユニコーン
Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。
インドネシアのユニコーンスタートアップ2社が合弁を発表しました。配車アプリのGojekとECポータルサイトのTokopediaです。これにより、東南アジア最大のハイテックコングロマリットが誕生します。
東南アジア配車アプリの雄
皆さん、Grabについてはご存じと思います。ソフトバンクが出資していることで話題にもなりましたし、日本ではフードデリバリーを行っています。インドネシアには、Grabの好敵手であるGojekがあります。奇しくもこの二社は、ほぼ同時期に東南アジアハラール市場から誕生しました。
Grab
2012年にマレーシアで、タクシー配車サービスとして設立されました。その後本社はシンガポールに移ります。そして、ライドシェア、オンライン決済、フードデリバリーと事業を拡大してきました。現在は、アジア8か国(マレーシア、シンガポール、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、カンボジア、日本)で事業を行っています。
Gojek
20人のライダーによるバイク配車サービスを、2010年にインドネシアで開始しました。輸送、フードデリバリー、支払いを事業ドメインとして、毎日の様々なニーズに応える包括的なサービスを提供しています。国内中心に事業を展開してきました。
ユニコーンに成長した理由は生活利便性の向上
Grab設立当時、マレーシアのタクシーは多くの課題(捕まらない、運転手の質、メーター不使用等)を抱えていました。Grabは、マレーシア人の移動の不便と不安を改善することによって、消費者に受け入れられてきたのです。
Gojekは、バイタク配車サービスのみならず、サービス予約や送金等のサービスを提供してきました。ドライバーを介してオンライン決済アプリに入金できる等、インドネシア市場の特性に合わせたサービスを、早々と提供している点に感心した覚えがあります。
海外市場展開
両社の成長過程で異なる点の一つが、海外展開です。その理由は、それぞれの市場規模の違いが大きいと思います。マレーシアとシンガポールベースのGrabは、成長のために大きな市場を必要としたのでしょう。一方、2億人以上の市場人口を有するインドネシアのGojekは、国内ユーザーに集中する道を選んだのではないでしょうか。
GojekとGrabの今後
現在の両者のサービス内容は、非常に似通っています。両社の事業展開を考えれば、当然の結果と言えるでしょう。今後は、更なる事業領域や進出エリアの拡大を目指し、激しい競争を展開していくでしょう。
今回のコラムを書くにあたり、この二社が東南アジアハラール市場から誕生した理由についても考えてみました。両市場に、同様のインフラ的課題が存在したことは事実だと思います。しかし、それは両国だけに特有の問題ではありません。インドネシアやマレーシアのムスリムにその理由を尋ねれば、インシャラー(神の御心)と返事が返ってくるかも知れません。
参考
Gojek and Tokopedia announce Indonesia’s ‘largest ever’ merger
The many battlefronts of Grab versus Gojek in Southeast Asia
Go-Jek v.s. Grab: Who provides a better user experience?
Head to Head : Grab vs Go-Jek
Gojek
Grab
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。
訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。
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