fbpx

海外進出でトラブルを避ける4つのポイント

Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。

以前のエントリーで、海外進出契約で気を付けるべきポイントについてお話しました。では実際に日本企業が海外裁判所で争った場合、勝訴できるのでしょうか?今までのイスラム市場進出支援の経験からすると、進出国によって異なるとしか言えません。

海外裁判で日本企業は勝てるのか?

私は2010年頃からドバイ、マレーシア、インドネシア等のイスラム市場で日本企業と現地企業のビジネスマッチングを支援してきました。その中で、表立って日本企業の裁判事例、特に敗訴事例を聞くことはありませんでした。

大学の友人で、日系米国法人の副社長を務めた方がいます。その企業は自社開発製品を販売しており、米国で技術特許に絡む裁判を何度か起こされているそうです。私の友人も米国で法廷に立ちましたが、最終的には勝訴したそうです。

一方でイスラム諸国では、日本企業は現地で裁判に勝つのは難しいとの話を聞きました。マレーシアで成功されている日本人事業家は、どんなに正しくても外国人は基本的に勝てないとおっしゃっていました。ドバイでお世話になったアラブ人は、ドバイでは外国人が勝つことはないと言い切っていました。

海外裁判で日本企業が勝てない三つの要因

なぜイスラム市場では日本企業が勝てないと言われるのでしょう?

1.適切な通訳者

マレーシアで訴えられた日本企業から、裁判での通訳を打診されたことがあります。日本企業が依頼した通訳の方が現地と日本の違いを十分に理解していないため、英語で適切な主張ができないとの事でした。十分な主張ができなければ、裁判長に自らの主張を理解させ勝訴することはできないでしょう。

2.法律施行

日本や欧米では、法体系が整っており裁判が公平に実施されることが当然だと思います。一方世界に目を向けると、そのような国は多くないように思えます。民主主義国家でさえ反政府運動の弾圧を行う事があるという現実を目の当たりにすると、裁判が公平でないことは特異ではないと思わざるを得ません。つまり、日本企業が法律や契約書上では正しくても、敗訴する可能性があるという事です。

3.裁判官の心情

オリンピック等の国際的スポーツイベントでは、多くの人が自国の選手を応援すると思います。同様の事が、海外の裁判所では起こる可能性があります。

海外進出でトラブルを避ける四つのポイント

現地で聞いた話を総合して考えると、日本企業が現地裁判で勝訴するのはなかなか難しいようです。海外進出はとても怖いと思う方もいるかもしれません。けれども、そもそも裁判にならなければ問題ないわけです。

 1.進出国の文化を理解し、誤解がトラブルに発展しないようにする。
 2.契約を結ぶ際には、現地の法律や商習慣的に問題がないか十分に検証する。
 3.トラブル自体を避けるために、慎重に信頼できるパートナーを選ぶ。
 4.現地パートナーとコミュニケーションを密にとり、情報収集を心掛ける。

誤解等による衝突を避け、法律改正や市場の変化によるトラブルにはできるだけ早く回避措置をとることが、致命的ダメージを避けるためには必要でしょう。

海外でビジネスをするということは、その国にお邪魔してビジネスをさせていただいているのです。常にこのことを意識することが、海外進出でトラブルを避ける第一歩です。

橋本 哲史
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。
訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。

 
Groovy JapanではSNSでもムスリム市場進出に役立つ情報を発信しています。
ぜひ、こちらからFacebookページへのいいね!やTwitterのフォローをお願いします。


Previous post ムスリムレビュー:ハラール認証粉末醤油で豆腐(冷ややっこ)を食べてみた
Next post ASEAN市場の半分はハラール市場?インドネシアとASEAN市場との関係性