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ASEAN市場の半分はハラール市場?インドネシアとASEAN市場との関係性

Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。

インドネシアは、お隣のマレーシアと違ってイスラム教国ではないって皆さん知っていましたか?約9割弱の国民がムスリムなのに、国教はイスラム教ではないんです。一方で仏教徒やキリスト教徒が多数住んでいるイメージのASEAN諸国ですが、その人口の約半数はムスリムだって知っていましたか?

ASEAN人口の約四割を占めるインドネシア

インドネシア(インドネシア共和国)は、赤道上に東西5000km、一万を超える島とそこに生活する約300種族が生活する超多民族国家です。面積は日本の約5倍です。人口は約2億6千万人。世界第四位の人口と同時に、世界最大のムスリム人口を有しています。インドネシアだけでASEAN市場人口の約4割を占めています。人口の約87%はイスラム教を信仰しています。次いでキリスト教(約9.9%)、ヒンズー教(約1.7%)、仏教(約0.7%) 、儒教(0.05%)が信仰されています。

バリ島はインドネシアではない?

日本人にも人気のバリ島は、人口の約90%がバリ・ヒンドゥーを信仰しています。そのため豚が名物料理ですしお酒も飲みます。日本で一般的なインドネシアのイメージであるバリは、インドネシアの一般的な姿とは言えません。

多様性の中の統一

インドネシアは政教分離政策をとっています。お隣のマレーシアは人口の約6割しかムスリムがいないのに、国教をイスラム教としているのとは対照的です。「パンチャシラ」と呼ばれる建国5原則を基礎に、国造りが進められています。

  • 唯一神への信仰
  • 公正で文化的な人道主義
  • インドネシアの統一
  • 合議制と代議制における英知に導かれた民主主義
  • 全インドネシア国民に対する社会的公正

宗教への配慮が必要なインドネシア市場

インドネシアでは特定の宗教を国教としない代わりに、六宗教(イスラム教、カトリック、プロテスタント、ヒンズー教、仏教、儒教)が公認されています。もちろん信仰の自由はあります。宗教を国が公認している点は、日本との大きな違いですね。インドネシア市場においては、信仰への配慮が必須と言えるでしょう。

ASEAN市場の半分はハラール市場

現在インドネシアは、ASEAN市場での存在感を年ごとに高めています。ASEAN市場人口(約6億人)の約4割の人口規模を占め、その人口は現在も増加中です。その約9割弱がムスリムです。マレーシアには約1,800万人。タイやフィリピンにもムスリムが居住しています。このようにASEANは、半数近くをムスリムが占める世界最大級のハラール地域であるとも言えるのです。

以前日本の食品添加物メーカーの方がASEANの取引先から、数年のうちに全製品をハラール対応するのでハラール認証を取得して欲しいと言われたそうです。そのお取引先は、ハラール商品のみをASEANで販売する計画とのことでした。ASEAN市場に占めるムスリムの割合と、その中でも多数を占めるインドネシアの経済成長を考えれば、妥当なマーケット戦術だと言えるでしょう。

このように、ASEAN市場でのムスリム消費者の存在感が年々大きくなっています。そのため、インドネシアやマレーシアでビジネス展開をするか否かに関わらず、ハラール対応が求められる可能性も高まるでしょう。これからASEAN市場進出を検討されているなら、ハラールに関する情報収集は必須だと考えられます。

参考

橋本 哲史
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。
訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。

 
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