【マレーシア進出支援事例】 旧正月中にムスリム企業との商談設定
Salam Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。
マレーシアやインドネシア市場進出時に、ラマダンや旧正月中に現地視察、調査、商談等を行わなければならない場合もあると思います。本来であれば、そのような時期は避けるべきですが、事業年度や予算執行の都合等で、どうしても時期を外せない場合もあるでしょう。マレーシアで、旧正月中のムスリム企業との商談設定支援をした事例をご紹介しましょう。
旧正月中ムスリム企業は忙しい
旧正月(春節)は旧暦の新年で、日時は太陰暦なので毎年変わります。西暦の1月後半から2月中旬頃となります。マレーシアではこの祝日に合わせて、中華系住民は1週間程度休みを取り、帰郷するなどして家族と過ごすことが一般的です。そのため中華系企業では、1週間程全社的に休みとする場合もあります。
旧正月は中華系の祝日なのでムスリムには関係ないのでは、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。マレーシアでは三民族の融和が掲げられていますので、ムスリム企業であっても中華系従業員を雇用している場合も少なくありません。中華系従業員が一斉に休むこの祝日期間中は、出社する従業員数が十分でないムスリム企業も少なくないのです。
出張直前なのにアポが取れない
旧正月の2週間程前、食品関連の日本企業よりムスリム企業との商談と市場調査の視察先アレンジのご相談を頂いたことがあります。旧正月はムスリムと関係ないと思っていたのに、アポが全く取れないとのご相談でした。時期変更のご提案をさせていただいたのですが、難しいとのことでした。
ムスリムネットワークを活用してアポ獲得
ムスリム企業側も手一杯の時期ですから、普通に商談をお願いしても難しいと考えて、政府公社の知り合いの相談することに。その結果、ご支援をいただくことになりました。依頼先企業と私で商談先条件を検討し、政府公社に、それに合致した商談先の提案や手配をお願いいたしました。
来馬直前のご依頼でしたので、全てが希望通りにはいきませんでした。それでも、食品バイヤー、輸入業者、商品を使用するエンドユーザーにお会いすることができました。空いてしまった時間には、日本企業視察では通常訪問しない住宅街の中にあるスーパーやモールを訪れて、価格調査や販売方法などの視察を行いました。来馬中には、私も同行し、現地視点での情報提供等も行わせていただきました。
企業の事前調査では見つけ出すことが難しい商談先のご紹介や、全社がお休みの日に社長が出社して頂ける等の幸運もありました。その結果、希望した3社以上の商談と輸出可能性調査を行なうことができました。
旧正月中という厳しい条件下での来馬でしたが、商談先企業の希望条件や譲歩できる点を明確化できたことと政府公社からの後押しがあったことが、アレンジの成功の要因であったと思います。このような状況では、現地ネットワークが有効に働きます。
Salam Groovy Japan運営会社のマレーシア法人JL Connect (M) SDN BHDのディレクターと、JAKIM戦略パートナー企業のコンサルタントを兼務。
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。
Salam Groovy JapanではSNSでもムスリム市場進出に役立つ情報を発信しています。
ぜひ、こちらからFacebookページへのいいね!やTwitterのフォローをお願いします。