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インドネシアが首都をジャカルタから「ヌサンタラ」に移転

インドネシア国会は18日、首都移転に関する法案を賛成多数で可決しました。新首都の名称は、古いジャワ語で「島の集まり」を意味する「ヌサンタラ(Nusantara)」です。言語学者や歴史学者らが提案した80以上の候補名の中から、最終的にジョコ・ウィドド(Ir. H. Joko Widodo)大統領が同意しました。

カリマンタン島(ボルネオ島)は世界で3番目に大きな島です。その大半はインドネシアが領有しますが、北部の一部はマレーシアとブルネイの領土になっています。

インドネシアの人口は世界第4位の2億7,640万人で、その86.7%がムスリム(イスラム教徒)であり、世界最大のムスリム国家です。平均年齢は32.1歳、国連人口統計によると、2027年頃に3億人を突破し、2060年頃には3.4億人でピークを迎えると考えられています。

インドネシアの総人口推移(国連人口統計 2019年版より)

インドネシアの首都移転計画は2019年に閣議決定されており、ジャワ島にある現在の首都ジャカルタから、国のほぼ中央に位置するカリマンタン島(ボルネオ島)の東部に移転します。当初計画では、2020年着工予定となっていましたが、COVID-19パンデミック禍によって保留となっていました。

2020年度におけるインドネシアの島別人口分布(国連インドネシア人口調査報告2021年度版より)

背景には、地盤沈下・海面上昇による洪水リスクの高まりと、ジャカルタへの人口集中に伴う渋滞と大気汚染の深刻化が挙げられています。新首都の予定地は密林地帯で、25.6万ヘクタール(東京ドーム55個分相当)の土地を開拓することになります。今回の発表で移転費用の総額は明らかになっていませんが、過去に330億ドル(約3兆7,000億円)と報じられていました。


インドネシア人彫刻家のニョマン・ヌアルタ(Nyoman Nuarta)氏が発表した新首都に建設される大統領府のイメージ映像


インドネシア政府は2022年にも開発に着手し、24年より順次首都機能の移転をはじめ、以降15~20年の歳月をかけて完了(2045年)を見込んでいます。


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