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礼拝堂やハラールレストランも備えたムスリムフレンドリーホテル/パプリカホテルです

ムスリムのお客様をお迎えするため、 プレイヤールームやハラールレストランを備え、2019年に開業した「パプリカホテルです」。ホテルの特徴や、東南アジア出身のスタッフへの思いなど、飯塚義典代表にうかがいました。

「パプリカホテルです」は、2020年のオリンピック開催に向け、イスラム教徒の方が安心して滞在できるホテルとして、千葉県木更津市に開業しました。オリンピックが開催されれば、ムスリムの方が多数日本に来るはずだと考えたからです。
日本では当時、今よりもっとハラールについて知られておらず、イスラム教徒の方は肉が食べられない、などと誤った理解をしている方も多くいらっしゃいました。

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ハラールに対応しているホテルもとても少なかったため、ムスリムの方が安心して日本で過ごしてもらえるようにと、男女別の礼拝堂、男女別のウドゥを備え、全14室ある客室にはキブラも設置。館内のハラールレストランでは、5つ星ホテル出身のシェフによる本格マレーシア料理を提供しています。通りから見える売店には、マレーシアのプレイヤールームのサインを参考にした看板を、大きく掲示しました。

ムスリムの方をお迎えする準備を整え、満を持してオープン。しかし、オープン直後に訪れたのは、ムスリムのお客様ではなく史上最強クラスの台風でした。ホテルがある千葉県を中心に大きな被害が出て、翌年の2月頃まで観光業は完全にストップ。さらには、感染症の流行により、オリンピックも無観客での開催となってしまいました。
イスラム教徒のお客様を第一に考えて開業したものの、外国からのお客様はほとんど見込めない状態が続いているのが残念です。

現在は、日本にいながら海外気分を味わっていただく、というコンセプトも取り入れて営業しています。
ホテルには、マレーシア・バングラデシュ・ネパール・ベトナム・モロッコ・日本と、6カ国出身のクルーが在籍。毎月実施しているお祭りイベントでは、企画の段階から彼らに活躍してもらい、レストランの期間限定メニューも用意して、お祭り気分を盛り上げています。
2月はベトナムのランタン祭りを模して、ロビーをランタンで飾りつけ。幻想的な世界を楽しんでいただきました。
3月は、インドやネパールで行われているホーリー祭を楽しむイベントを企画。カラーパウダーや色水で全身色まみれになる体験ができます。
イベントを楽しみに訪れてくださるご家族連れも多くいらっしゃいますね。

木更津では、多くの企業が外国人実習生を受け入れています。当ホテルは、イスラム教徒の方に完全対応できるため、マレーシアやインドネシアなどから日本に来たムスリム実習生が入国した際、隔離期間の待機宿泊施設としてご利用いただくこともあります。

当ホテルでは、様々な国籍のクルーが働いています。東南アジア出身の在日外国人は、SEなどの仕事に就く方もいる一方、飲食店のアルバイトや工場など、裏方の仕事をされている方が多いと感じていました。しかし、日本に移住してきた皆さんの能力は非常に高い。彼らの自主性を活かした形で、表舞台で働いてほしいと考えたことが、ホテル開業のきっかけでした。

飯塚代表(中央)

彼らは、肌の色も違えば文化も異なりますので、パーソナリティや、自主性を尊重し、就業上のルールは最小限にしています。ホテル業界では一般的な、髪型、ピアス、ネイルの制限なども設けず、清潔感があれば問題なし。人から強制されるのではなく、本心で動いてほしいと考えているので、接客においても細かい指示はしていません。思いやりを持って対応し、困っているお客さんがいたら気遣ってあげてほしい、とだけお願いしています。

例えば、マレーシア出身のシェフ。マレーシアの5つ星ホテルで総料理長をしていた経験もあり、おいしさは保証付きです。しかし、彼の作る料理は、毎回違う味、違う盛り付け。レストランとしては一般的ではない様式だと思いますが、シェフの個性を尊重し、自由に楽しんで作ってもらっています。
メニュー表の写真に「絶対に写真通りのものは出てきません」と注意書きし、お客様にご理解いただいた上でご注文いただいています。
同じメニューを頼んでも、同じ味の料理は提供されませんから、飽きることもございません。ぜひ、何度も通っていただき、変化に富むおいしい料理をお楽しみいただきたいですね。

また、自国の民族衣装を着てもらったら、クルーたちが楽しく働けるのではないかと考え、開業当初に採用していた制服も廃止しました。
民族衣装に限定もしていないため、出身と異なる別の国の服を着ることもありますし、「コスプレもある意味日本風」というような解釈で、自由に服装を選んでもらっています。私自身は大島紬など、古い日本の着物を着ることが多いですね。

ムスリムのお客様にご利用いただく機会が少ない状況が続いていますが、ムスリムの方のためにホテルを開業した結果、多くの国の人たちに会うことができました。ですから、ムスリムの方々にはとても感謝しています。

このホテルが、今後、ムスリムや日本人も含め、様々な国の人たちが集い、交流する場所になってほしいと思っています。そして、いつかそんな場所を全国に増やしていけたら嬉しいですね。

自由な渡航が再開された折にはぜひ、「パプリカホテルです」に泊まりに来てください。

<企業概要>
事業者名: パプリカホテルです
本社所在地:千葉県木更津市金田東1-20-20
事業内容: ホテル・レストランの運営
公式サイト:パプリカホテルです
予約サイト:パプリカホテルです/オンライン予約システム


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