低糖質・低カロリーなヘルシー新素材「ニンジャペースト」／Sydecas |

フードテック企業の株式会社Sydecas（シデカス）は、蒟蒻を主原料とする「ニンジャペースト」を開発。「ニンジャフーズ」ブランドを立ち上げ、食の制限を持つ人に応えた製品を販売しています。素材の特徴や今後の展開などについて、同社代表取締役の寄玉昌宏氏にうかがいました。

2016年に創業した当初は、介護や医療服飾雑貨の企画開発が主な事業でした。医療に関する展示会に出品されていた食品がおいしそうに見えず、「食を通じて療養を楽しく過ごしてもらうにはどうしたらよいのか？」と考えたことがフード事業に乗り出したきっかけです。

その後、健康を気遣う方、食に制限がある方でも食べられるヘルシーな素材として着目したのが「蒟蒻」でした。蒟蒻は、蒟蒻芋を乾燥粉砕して蒟蒻粉を作り、水で糊状にして固めたもので、蒟蒻粉は食物繊維の塊なのです。

蒟蒻芋の原産地はマレーシア周辺と言われ、東南アジアに広く分布しているものの、広く日常食として食べているのは日本のみ。そのため、蒟蒻を使った料理のバリエーションを持ち、その積極的な活用に関心が高いのは、世界でも珍しい部類に入るのではないでしょうか。

また日本では、膠や漆と並ぶ接着剤として、工業分野を中心に研究・利用してきた歴史もあります。それを食品に再適用しようと考えて完成したのが、蒟蒻芋を原料にした「ニンジャペースト」です。低カロリーで食物繊維を豊富に含み、まるで「忍者」のように他の食材と同化する特徴があります。

その後、2020年に「ニンジャフーズ」ブランドを始動。最近ではオリジナル製品として「ニンジャジャーキー」の販売を開始しました。
ニンジャジャーキーは常温で日持ちしますし、プラントベースで砂糖も不使用。噛み応えも楽しく、満腹中枢も刺激されることから、おやつにぴったりの商品です。現在、ハラール認証取得に向けて準備を進めています。

ヘルシーな食品として、糖尿病がまん延しているイスラム諸国へ向け提案したいと考え、ハラール醤油やハラールコチュジャンで味付けした製品をドバイの展示会に出品しました。
万国共通でオルタナティブバインダー（食品結着材の代替品）としての評価は高く、「ヘルシーでとてもいい」と非常に好評だったため、さらに改良を加え、現地の市場ニーズに応えた製品として供給できるようにしたいと考えています。

そして現在、開発に力を入れているのが「ナッツバー」です。UAEの食品売り場では、日本と比較にならないほど多くの棚を占めて販売されていました。
ナッツバーは、チョコやデーツ、小麦粉、砂糖などで固めているものが多く、糖質や脂質が非常に高くなってしまいます。
しかし、結着材にニンジャペーストを使うことで、非常にヘルシーな製品に仕上げることができます。熱で溶けないため、ベタベタすることもありませんし、常温保存が可能になります。
チョコや砂糖と異なり、味にも影響が少ないため、スイーツ以外の展開も可能。その可能性は無限にあります。
非常にヘルシーな「日本のスナック」として紹介するため、来年の展示会に向けて新商品を開発しているところです。