グローバルハラール市場でハラール認証が求められる3つの理由
Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。
イスラム市場やインバウンドの事業に取り組まれている日本企業の方とお話していると、ムスリム向けの商品にはハラール認証が必須と考えている方が多いようです。ハラール市場先進国のマレーシアでも、ハラール認証取得義務はありません。一方で、ハラール市場への輸出の際には、ハラール認証商品を求めるニーズも少なくありません。
マレーシアで始まったハラール認証制度
世界で初めてのハラール認証制度は、1974年にマレーシアで始まりました。マレーシアは、マレー人、中華系、インド系の三民族が混住している国です。このような社会的背景に加えて食品の多くが近代的工場で生産されるようになり、ムスリムが安心して消費できる食品を明確にするニーズが、高まったためではないかと言われています。
ハラール認証が必要とされる3つの理由
マレーシアでハラール認証制度が誕生して40年以上たった現在、ハラール認証は世界のイスラム市場で取り入れられています。その背景には、消費者、生産者そして国によるニーズが存在します。
消費者ニーズ
現代の大量生産型商品を、消費者がそのハラール性について確認することは、簡単ではありません。高度に加工された商品は、外見からでは原材料を推定できません。製造業者に問い合わせようにも、所在地が海外の場合も少なくありません。
生産者ニーズ
大量生産を行う食品工場や多数の店舗を構えるレストラン等では、商品やサービス全体でハラール性を担保することは、簡単ではありません。そのためには、HACCPやGMPのような制度的仕組みを取り入れる必要があります。マレーシアのハラール認証制度は、HACCPの監査方法を取り入れています。
国のニーズ
ハラール商品の輸入や流通において、ハラール認証取得や表示が義務づけられている国があります。マレーシアで食用生肉を輸入する場合には、JAKIMと相互認証している認証団体のハラール認証が必要とされます。
ハラール認証はムスリム消費者への信頼の証
ムスリムが多くを占める国々は、発展途上国や中進国が多いのです。例えば、世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアは、2030年に年収5,000-35,000米ドルの新中間層と呼ばれる階層が、1億8千万人に達すると予測されています。戦後の日本と同様に経済成長にともなって、ムスリム消費者はより安心・安全な商品を求めるようになるでしょう。ハラール性は、その重要な欲求の一つです。
このようなことから、グローバルハラール市場では、今後さらにハラール認証が求められることが予想されます。
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。
訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。
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