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ハラール認証を取得し、おいしい日本の魚をイスラム諸国へ/ 株式会社いまる井川商店

鮮度抜群の魚を加工・販売している「株式会社いまる井川商店」。ハラール認証を取得し、マレーシアやシンガポールへ輸出を開始しています。認証取得の経緯や商品の特徴、今後の展望などについて、井川剛志代表にお話をうかがいました。

弊社が拠点を構える静岡県焼津市は、日本屈指の水揚げ量を誇る漁業が盛んな地域。弊社は、焼津港で水揚げした魚を、まぐろ専門業者と協力して船ごと買い付けており、新鮮な食材を安定供給できる体制を整えています。
仕入れた魚は-40℃の自社超低温冷凍庫で鮮度を保持。切身や漬魚を製造し、スーパーや宅配業者、外食産業などへの卸売りと小売りの両方を行なっています。鮮度抜群の素材をおいしく加工し、包装などの納品形態まで細やかに対応できることが特徴です。

ホテルやレストランへの卸しでは、食材の人気に偏りが生じます。有名店で提供されている人気メニューと全く同じ魚種・サイズの注文が他店から重なるというようなことが、非常によくあります。魚は自然が相手の食材。特定の魚種やサイズに人気が集中すれば、当然価格が上がってしまいます。
魚価が高まっている現在、価格に見合った魚の入手には、仕入れの工夫も含めた幅広い知識が必要です。弊社では、味付けなどにも細かく対応するほか、サイズや魚種を変えてもお客様の満足度が変わらないような代替提案のアドバイスも行っています。食のトレンドを押さえつつ、価格を抑えるノウハウも含めた提案ができることが、メーカーとしての強み、面白さだと思っています。

弊社は、2020年にハラール認証取得を取得しました。そのきっかけとなったのは2022年3月に完成を予定していた新工場の建設計画でした。工場建設には大きな費用が必要になりますし、近年の魚価高騰といった不安材料もあります。これまでと同様の経営を続けるだけでいいのか思い悩み、魚の新たな需要について思案していました。そんな中で着目したのが、インバウンド需要でした。

日本人観光客に人気のB級グルメには、豚肉が使われていることが多く、イスラム教徒は食べることができません。一方で魚はハラールな食材です。そこで、魚を使ったインバウンド向け需要の開拓を考えました。
オリンピックに向けてムスリムインバウンド需要が高まっていたことにも後押しされ、2020年3月に日本イスラーム文化センターのハラール認証を取得。しかし、取得したその年は新型コロナ感染症の流行により、インバウンド需要自体が完全にストップとなってしまい、ハラール関連の商品が大きく動くことはありませんでした。

パンデミックの対応が落ち着いた2021年に、「シーフードショー大阪」、東京開催の「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」に出展したところ、漬魚について、輸出のご要望を多数頂きました。海外向けの試食会では、そのおいしさにとても驚かれ、ぜひ購入したいとの声も多く寄せられました。自社製品の品質を再認識し、メーカーとして「日本のおいしい魚をもっと多くの人にお届けしたい」という気持ちになったのです。
そこで、限られた日本国内市場のみだった体制からの脱却を図り、インバウンド需要に依存することなく、海外ハラール市場への輸出を目指すことにしました。

新工場

東南アジアと中東では、求められる魚、好まれる味付けが異なります。国ごとの好みの違いなどについても研究を重ね、輸出向けの商品を開発。既にマレーシア、シンガポールに出荷し、現地での販売も始まっています。
そして今年2月には、ドバイで開かれたGulfood 2022に出展しました。品質を大変評価いただき、現在、多くの引き合いを頂いています。サンプル出荷も含め、中東諸国への進出に向けた準備を進めているところです。

ハラール商品

世界的にも、健康食としての魚食が広まっています。拡販のチャンスでもある一方、マーケットの広がりによって魚が取り合いになり、魚価が上がってしまう点は悩ましいところです。
イスラム諸国に向けた日本の魚の輸出は、まだまだ始まったばかりで発展途上の段階にあります。競合他社が少ない今、しっかりとした基盤を作り、日本のおいしい魚をイスラム諸国に広めていきたいと考えています。


日本食は品質が高く、味も本当においしい。世界中のムスリムの方に、日本のおいしい和食をお届けしたいです。

<企業概要>
事業者名: 株式会社いまる井川商店
本社所在地:〒425-0062 静岡県焼津市中根新田963
事業内容: 焼津魚市場仲買人/冷凍倉庫業(超低温冷凍庫)/水産加工業(冷凍切身・漬魚専門)/小売り販売
公式サイト:いまる井川商店
オンラインショップ:切身・漬魚専門店 魚魚(toto)


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