ハラールテックを加速する? ジャックフルーツ(パラミツ)を活用した植物性代替肉
リアルテックホールディングス株式会社の運営するリアルテックグローバルファンドが、シンガポールに拠点を置く「バリ・グローブ社(Bali Grove Pte Ltd、以下「KARANA」(商標名))」への出資実施を明かしました。
リアルテックホールディングスは、地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジー(リアルテック)の社会実装を目指して創設された、株式会社ユーグレナと株式会社リバネスの合弁企業。また、KARANAは、「ジャックフルーツ(パラミツ)」を活用した植物性代替肉の開発を通して、サステナブルで健康的な料理の提供を目指すフードテックベンチャーです。
世界を救うポテンシャルを持ちながら、全く活用されてないジャックフルーツ
植物性代替肉の領域が20%に迫るCAGR(年平均成長率)で成長し、注目を浴びる一方で、既存の牛・豚・鶏肉製品に近い「肉っぽさ」を実現するために使用される、過度な添加物(保存料、甘味料、着色料、香料)が大きな課題となっています。それらを解決するためにも、かねてから全てが植物から出来ている代替肉への期待が高まっています。
ジャックフルーツは、牛肉に近い細胞形状を持ちます。また大規模な農園が不要でどこでも生える力を持ち、熱帯地域を中心に栽培され、日常的に食べられている果実です。食物繊維を多く含み、低脂質、コレステロールゼロと健康面でも優れており、さらには干ばつや害虫に強く、除草剤や農薬を必要としないという強靭さも兼ね揃えています。
ジャックフルーツは世界中で約100万トン生産されていますが、加工技術が進展しておらず、実にその約6割が廃棄されてしまっています。ジャックフルーツの有効活用によって、植樹によるCO2削減・廃棄物の削減・農家の収入増加など環境・経済におけるインパクトを生み出すことができると期待されています。
熟成する前のジャックフルーツは風味が少なく、その食感が食肉に似ていることからヴィーガン向けの代替食材として人気が高まっています。そこに着目したKARANAは、独自の加工技術を用いて、顧客の求める味・テクスチャー・栄養価・コスト・サステナビリティを実現する商品を開発。既にアメリカやシンガポールで販売を開始しています。
リアルテックグローバルファンドには、マレーシアの政府系ファンド「MTDC(Malaysian Technology Development Corporation Sdn. Bhd.)」が参画しています。マレーシアのディープテックエコシステムの発展と、ムスリム文化特有のハラール関連テクノロジー(ハラールテック)の世界的なハブにも着目していることからも、今後はASEANハラール市場を中心とした展開も予想されます。
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