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日本初のハラール認証取得昆布、イスラム市場進出で業績拡大/大橋水産

海産物や植物は基本的にハラールとされていますが、有限会社大橋水産は「日高昆布」でハラール認証を取得したことで注目を浴び、ハラール市場での売上を急激に伸ばしています。同社の大橋昇平専務にお話をうかがいました。

弊社は1950年に北海道様似町で創業し、良質な日高昆布を販売してきました。
少子高齢化に伴う人口減少が急速に進む中で、昆布の国内需要も縮小しつつあります。そこで海外へ目を向け、2022年1月にハラール認証を取得し、輸出を開始しました。現在、ハラール認証取得の昆布は弊社商品しかありません。4月頃から問い合わせが増え、対応に追われています。
また認証取得をきっかけに、乾燥帆立貝、鰹節、飛魚出汁、ワカメ、焼き海苔についても取り扱いを始め、これら全てにおいてもハラール認証を取得しました。

昆布をはじめとする海藻の輸出には、「ヒ素検査証」が必要です。ハラール認証の検査を通過した直後の年末、輸出に向けた大量受注があり、年明け早々にもヒ素検査証を入手する必要がありました。ヒ素検査証は、原本証書の提出が求められ、スケジュール的に大変切迫した中で手配したことを覚えています。

現在、マレーシアのドン・キホーテのほか、インドネシアでも販売しており、タイ、台湾からもお引き合いをいただいています。
特に、帆立貝柱は高い需要が見込まれており、まずはシンガポールから展開する予定です。

日高昆布は養殖できず、天然物しか存在しません。ほどよい肉厚で味がしみこみやすく、柔らかい肉質でありながらも煮崩れしないという特徴があります。出汁としての利用はもちろん、そのまま食用としても使える昆布なのです。

マレーシアでは、出汁文化がまだまだ根付いていません。そのため、おでんや焼きそばといった人気の日本食を、より本場の味に近づけ、栄養価を高められる商品としてPRしていこうと考えています。
一方インドネシアでは、ヴィーガンを中心に、昆布やワカメを好んで食べる傾向があるとも聞いています。
いずれにしてもまずは、日本産昆布の認知度自体の向上に努めたいと考えています

日本では、加工食品がハラール認証を取得することが多く、原料自体で認証を取得している事例は少ない傾向にあると思います。しかし昆布と同様に、日本特有の原料がハラール市場に進出すれば、唯一無二の存在になり得るのです。
国内市場では、価格勝負になりがちです。しかし海外市場では、「ジャパンブランド」や「北海道ブランド」を高く評価いただいており、価値に見合った適正価格での販売を可能にしていると感じています。

2021年の春頃、コロナ禍での相次ぐ取引先の倒産により全社を挙げて国内販路開拓に取り組む中、私は海外展開に向けて動き出していました。
当初は社内の全員から「海外輸出など無謀だ」と言われましたが、輸出事業は順調に売上を伸ばし、業績回復を後押ししました。ハラール認証の取得からわずか半年で、輸出が売上の多くを占めるまでに至っています。

世界人口の4人に1人がムスリム。ハラール市場は、非常に大きなマーケットです。
国内での需要は縮小していきますから、素晴らしい原料、素材を扱っている事業者の方には、積極的にハラール認証を取得し、ハラール市場にも展開していってほしいと考えています。
何もしないことこそがリスク。企業規模に関わらず、行動していくことが大切だと思います。

水産資源は天候や環境変化による影響を受けやすく、昆布生産量も減少傾向にあります。長らく主力商品であった昆布にこだわらず、海苔やワカメなど、日本全国の優れた商品を広く扱っていこうと考えています。

<企業概要>
事業者名:有限会社大橋水産
本社所在地:〒058-0026 北海道様似郡様似町本町1丁目15番地
事業内容:日高昆布・だし商品の加工販売
公式サイト:有限会社大橋水産
オンラインショップ:有限会社大橋水産


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