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「アルファ米」開発企業によるハラール防災食/尾西食品株式会社

アルファ米などの長期保存食を製造・販売する尾西食品株式会社は30種類以上の製品で日本アジアハラール協会(NAHA)のハラール認証を取得しています。
ハラール保存食誕生の経緯や、製品の特徴についてうかがいました。

弊社は1935年に創業し、水またはお湯を注ぐだけで食べられるアルファ米を世界で初めて開発し、製品化に成功しました。
第二次世界大戦中に海軍からの開発要請に応えたもので、「軍用食」として終戦までに6千トン余りを納品しました。

戦後、アルファ米は旅行や登山の携行食として利用されるようになりました。大きな転機となったのが、1995年の阪神淡路大震災です。この未曽有の災害において「お米を食べたい」という被災者の声から「非常食」として脚光を浴びることとなり、当時備蓄の主流だった乾パンからアルファ米へ代わってきました。それから日々試行錯誤を繰り返すことで、賞味期限を更に延ばしたり、様々な味のバリエーションを増したりして進化し続けています。
現在は、長期保存食の総合メーカーとして、アルファ米だけではなく、パンやクッキーといった様々な製品も取り扱っています。

ハラール認証取得の発端となったのは、関西国際空港からの問い合わせでした。外国人の利用客も多い空港ゆえに、「食の多様性(フードダイバシティ)」は必要不可欠な対応。イスラム教徒の方にも対応した備蓄食を探されていました。
すぐさまハラール対応の導入を決め、2015年に白飯、赤飯、おかゆ等でハラール認証を取得しました。

その後も、みりんなど調味料を置き換えるなどして商品数を増やし、現在30種類ほどの商品が認証を取得しています。また、尾西食品の非常食は、食物アレルギーにも対応しているものが多くあります。災害などの有事の際は特にアレルギー対策には十分な配慮が必要だと考えています。

エスニックシリーズ:ビリヤニ、ナシゴレン

ハラール対応の取り組みを始めたことをきっかけに、中東、東南アジアといったイスラム諸国への輸出を念頭にした「エスニックシリーズ」を発売しました。
サウジアラビアやインドネシアを視察し、本場のムスリムが食べ慣れた味を目指したのです。その結果、日本国内の市場で出回っている備蓄食としては珍しい、スパイシーな仕上がりになっています。

2011年の東日本大震災以降、自治体から備蓄食としての受注数が飛躍的に伸びました。
また2020年以降、新型コロナウィルスの自宅療養者に向けた食糧支援として、備蓄食の一部が放出されたことなどもあり、一般のご家庭でもアルファ米の認知度が上がっています。
9月1日の防災の日や3月11日の東日本大震災の節目に合わせて普段取り扱いのないスーパーやコンビニでもその時期だけ販売されることもありますし、年間を通じてネット販売の取り扱いも増えていますので、いざというときのためにも、ぜひご購入いただければと思います。

<事業者概要>
事業者名:尾西食品株式会社
本社所在地:東京都港区三田3-4-2 いちご聖坂ビル3階
事業内容:長期保存食の製造と販売
公式サイト:尾西食品株式会社
オンラインショップ:通販いちば / おにしのあんしんチョイス(ノンアレルギー食品専用)

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