【第17回MIHAS】ハイブリット展示会で変わる?MIHASに参加すべき人
Salam Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。
2021年の第17回Malaysia International Halal Showcase(MIHAS)は、COVID-19の感染拡大による渡航制限のため、クアラルンプールの展示会場とネット上でのバーチャル展示会場を融合した、初のハイブリット展示会として実施されます。
第17回Malaysia International Halal Showcase
2019年のMIHASには、44ヵ国1002ブースが出展され、88ヵ国約3万人の来訪者がありました。世界最大級のハラール産業展示会です。2021年の第17回MIHASは、クアラルンプールにある展示会場(Malaysia International Trade and Exhibition Centre:MITEC)と、ネット上の展示会場(MIHASマーケットプレイス)を融合して行われます。
MIHASマーケットプレイス
MIHAS運営事務局に直接確認をしたところ、MIHASマーケットプレイス(バーチャル展示会場)への出展企業には、次のサービスが提供される予定です。
- マイクロサイトの提供
- 製品写真やデモビデオのアップロード
- ライブチャット機能
- 投票及び調査機能
- 開催終了後の訪問者分析
- MATRADEによるビジネスマッチング
バーチャル展示会の機能として、私のクライアントが出展した他の海外バーチャル展示会と比較して、ほぼ同様の機能が提供されます。
MIHAS出展メリットはビジネスマッチング
MIHAS出展の最大のメリットは、主催者であるマレーシア輸出開発公社(Malaysia External Trade Development Corporation:MATRADE)によるビジネスマッチングです。MATRADEは日本のJETROのような組織で、マレーシア製品の海外輸出を推進する政府公社です。2019年以前のMIHASでは、対面形式のビジネスマッチングが2日間開催されました。
MIHAS事務局によれば、MIHASマーケットプレイス出展企業には、同様のビジネスマッチングを提供するとのことです。このビジネスマッチングでは、出展企業だけでなく、出展していないマレーシア国内企業とのマッチングも提供されます。マレーシア企業とのビジネスをお考えの方には、特に有効でしょう。実際に私も何度かバイヤーとして参加しましたが、思いがけない商品やパートナーに出会うことができました。
ハイブリット開催の課題
私のクライアントでも、すでに海外バーチャル展示会への出展や、バイヤーとして参加した企業も増えてきています。参加者のお話から、オンライン展示会のメリットと課題が見えてきました。
バーチャル展示会のメリット
- 出展費用が安く済む。
- 参加の手間がかからない。
バーチャル展示会の最大のメリットは、出展者にとっても参加者にとっても、手間がかからないことです。ブース出展費用に関しては、通常より低い価格が設定されていることが多いようです。また、海外渡航の手間がかからないため、訪問者数も増加傾向にあるようです。
バーチャル展示会の課題
- 実際の商品確認ができない。
- 参加者と直接会えない。
食品や化粧品等の、サンプルを手に取ることが必須の商品をお持ちの方は、商談が難しいと感じているようです。バイヤーの方からは、実物に触れられないことから、ネット検索と変わらないとの意見も聞いています。
直接取引先と会えないことは、ビジネスに踏み出すハードルを上げそうです。マレーシアやインドネシア企業では、ビジネスが属人的要素に依ることも多いです。実際に会って信頼を獲得することが、ビジネスの第一歩である場合も少なくありません。これをどのように解決するのかが、バーチャル展示会の有効性を上げる鍵となると感じています。
情報収集目的の参加者が多数
私が最も重要な課題だと考えているのは、従来の展示会と比較して、バーチャル展示会への来訪目的が、従来の展示会と大きく変わることです。
バーチャル展示会の運営者によれば、従来の展示会では、来訪者の7割以上が実際の商談相手を探すことを目的としていたそうです。一方でバーチャル展示会に移行後は、参加者数は大幅に増加したものの、情報収集目的の参加者が7割を超えているとのことです。
情報目的での来訪者が多いバーチャル展示会では、その特性に対応した展示内容やフォローアップを検討することが必要です。
MIHASに参加すべき人
2021年のMIHAS出展者を確認してみると、マレーシアからの出展者が多くを占めています。2019年のような世界各国からの参加者が集う巨大展示会と比較すると、コロナの感染拡大が続いている状況では、致し方ないと思います。
一方で、イスラム諸国やアジア各国のブースもあり、ハラール産業の全体を肌で感じることができるため、ハラール産業全体を理解するためにお勧めの展示会であることに変わりはありません。ハラール産業でのビジネスにご関心のある方は、ぜひ参加してください。
参考
The 17th Malaysia International Halal Showcase (MIHAS)
Malaysia External Trade Development Corporation (MATRADE)
Malaysia International Trade and Exhibition Centre (MIDEC)
Salam Groovy Japan運営会社のマレーシア法人JL Connect (M) SDN BHDのディレクターと、JAKIM戦略パートナー企業のコンサルタントを兼務。
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。
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