現地中小企業の製品から見るインドネシア市場
Salam Groovy Japanを運営するジェイ・ラインのマレーシア法人JL Connect Malaysiaでイスラム市場進出支援に携わっている橋本です。
ここ2か月ほど、毎週末実施されているインドネシア中小製造業のオンライン商品プレゼンテーションイベントに、コメンテーターとして参加させていただいています。その多くは、輸出可能レベルかすでに海外輸出している商品です。このイベントを通じて多くの商品をつぶさに見ることによって、インドネシア市場の3つの特徴を再認識いたしました。
コロナ禍に誕生したオンライン販促イベント
このプレゼンテーションプラットフォームは、コロナ禍で売上が減少し販路開拓がうまくできないインドネシア国内中小企業のために、毎週末に実施されているイベントです。1回に3-5社程度が商品プレゼンテーションを行い、バイヤーからの質問等に答えていきます。私には、日本人からみてのコメントが求められています。かれらの意識の中には、海外に販路を広げたいという強い思いがあります。
インドネシア市場 3つの特徴
このイベントを通じて、インドネシア市場の3つの特徴を、改めて認識しました。
多地域性
インドネシアは、世界で最も多くの島(1万3466)を持つ国です。これらの島々には、583を超える全く異なる会話言語を持つ地域が存在しています。このような多地域性を反映して、同じ製品群の商品でも、原材料や味付け等が異なっている製品が多く、生産者もその地方性にプライドを持っていると感じます。
キャッチアップ
日本では、欧米→日本→アジアへと、技術や流行が流れていくイメージがあると思います。日本は100年以上の歳月をかけて、欧米にキャッチアップしてきました。インドネシアでのこの変化は、情報テクノロジーの急発展やインドネシアの経済成長等から、日本人が思っている以上に速いと再認識しました。
例えば、世界的にニッチで嗜好性の高い分野の健康食品でも、ハーブやトロピカルフルーツ等の地元原材料を活用した現地製品が登場しています。すでにインドネシアには、そのような高嗜好製品を消費できる層が、成長してきています。
マーケティング
実際にレビューした商品の多くのパッケージやそのデザイン等は、日本製品レベルに達していない印象を受けます。商品の地域性が強く地場中小企業製品も多いことや、地元消費者が必要十分を超える品質を求めていないことも、その要因であると思います。
一方で、日本企業のマーケティング経験値が非常に高いことを実感します。原材料、人件費、物流費、先進技術のキャッチアップの速度等を考えると、日本生産製品がインドネシア現地生産製品に太刀打ちすることは、ますます難しくなりそうです。日本企業は、このアドバンテージを十分に活かす必要があると、改めて強く感じています。
インドネシアの現地イベントに招待していただいて、インドネシアの中小企業の厚みと前向きな姿勢に、改めて驚いています。上でも少し触れた健康食品製造業者は、すでにアメリカとヨーロッパに愛好者グループを持っていて、次は日本市場も狙いたいと考えているようでした。改めて、日本企業も現状に胡坐をかいていられないと実感をしています。
Salam Groovy Japan運営会社のマレーシア法人JL Connect (M) SDN BHDのディレクターと、JAKIM戦略パートナー企業のコンサルタントを兼務。
2010年に日本果物のドバイ輸出事業に参画したことからイスラム市場との係わりが始まり、その後マレーシアとインドネシアを起点に現地企業家との事業を行う。訪日ムスリムツアー企画と現地営業、日本と東南アジア間でのビジネスマッチングやマーケティング等を経験する。
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